中古物件を購入し、リフォームまたはリノベーションをして好みの家を手に入れたい…。
そう思っている方にとって、少しわかりにくいのがリフォームやリノベーションの費用(相場)ではないでしょうか。
確かにリフォームやリノベーションは、わかりにくいところがあります。
そのため、「お任せ」となってしまい、ときに金銭面で失敗してしまう可能性もあります。
そのようなことを予防するため、中古物件をリフォーム/リノベーションするときの相場、中古物件の購入からリフォームやリノベーションするときの手順をご説明します。
どうぞ参考になさってください。
中古物件をリフォーム/リノベーションするときの費用(相場)
中古物件をリフォームないしはリノベーションするとき、業者選びは費用(相場)を勘案しましょう。
リフォームやリノベーションはある程度目安となる金額があり、そしてその理由を知れば納得できるでしょう。
まずは次の表を見てください。
築年数 | 費用(相場) | 理由 |
~5年 | 3~20万円 | 手を入れるところはほとんどなし。好みの壁紙にするなどほんの一部。 |
5~10年 | 20~80万円 | 屋根材・外壁材に応じたメンテナンス(場合によっては塗り替え)が必要。 |
10~15年 | 170万円前後 | 水回り設備の陳腐化が気になってくる。特に使用頻度の高いトイレや洗面、ガス湯沸かし器など。
屋根や外壁の劣化により、点検・補修が必要なことも。 |
15~20年 | 170~300万円 | キッチンやお風呂などの設備を入れ替えたいタイミング。 |
20~25年 | 180~400万円 | 耐震補強や断熱性能のアップといった、安全・安心に関わるリフォームやリノベーションが必要。 |
25~30年 | 250~500万円 | 間取りが今の暮らし方に合わない可能性から、壁を一部落として部屋をつなげたりといったリノベーションをしたくなる可能性。 |
30年以降 | 500~2,500万円 | 障子での間仕切りにより「プライバシーが保てない」と感じる場合、動線を考えながら壁を入れるなどの工夫をする。タイル張りのお風呂場が傷んでいるためシステムバスにしたい、雨漏り箇所を手入れしたいというケースも。
柱など建物を支える部分の木材が傷み、傷んだ部分を取り換える必要がある家もある。 |
中古物件×リフォームやリノベーションの「メリット」
ここでは、中古物件を購入し、リフォームやリノベーションを行うときのメリットについてご説明します。
物件費用を安くおさえられる
中古物件を購入し、リフォームやリノベーションするときの最大のメリットは、「物件そのものが安く手に入る」という点です。
特に人気のエリアの場合、その家の築年数によってはほぼ土地代だけで家が手に入ることもあり、中古物件購入のメリットが活きてきます。
構造的に見て傷んでいない、さらに家そのものも好みに近いのであれば、ほとんど手を入れる必要がなく、文字通り「ほぼ土地代」で家を購入できます。
たとえば、土地込みの新築物件が5,000万円、同等条件の中古物件が3,500万円だったとします。
もし、リフォームが必要であっても800万円で済むのであれば合計で4,300万円、700万円の得です。
ローンを組む時も、安くなった分だけ支払い年数や金利を圧縮できますので、「中古物件×リノベーション(リフォーム)」は有利、といえるでしょう。
在来工法の家なら、大胆なリノベーションも可能
昔ながらの大工さんの建てた家(在来工法)の家なら、間取りの変更を伴う大胆なリノベーションも可能です。
というのも、在来工法では家の骨組みは柱や梁、筋交いだからです。
面で支える2×4(ツーバイフォー)の場合、壁面で家全体を構成するという仕組みから、外せない壁が生じてしまいます。
その点、在来工法ならばある程度大胆なリノベーションも可能です。
ある程度「暮らし方」が想像できる―短期間で好みの家を手に入れられる
既に家が存在する中古物件なら、「自分たちがここで暮らすなら」とイメージしやすいものです。
そこにどう手を加えれば好みの家になるのか、暮らしやすい家になるのか、想像しやすい点はメリットです。
完全に一から検討する注文住宅も魅力ですが、注文住宅の場合、全く何もないところから間取りや設備を考えなければなりません。
時間的余裕がある、手間暇がかかっても構わないという方には向いた方法ですが、できるだけ短期間で自分好みの家を手に入れたいという方には向かないでしょう。
その点、注文住宅を購入しリフォームやリノベーションをするという方法なら、思いのほか短期間で自分が考える暮らし方に近づけることが可能です。
中古物件×リフォームやリノベーションの「デメリット」
中古物件を購入し、リフォームやリノベーションすることにはデメリットになることもあります。
たとえば、結果的に新築物件購入よりも高くなってしまったというようなことです。
リフォームローンの金利は高い
もしも土地や建物の購入だけでなく、リフォーム費用もローン支払いする場合、支払額が高くなってしまう可能性があります。
というのも、リフォームローンは住宅ローンよりも金利が高い傾向にあるからです。
できるだけ土地建物購入用の頭金を貯めておく、もしくはリフォーム費用分だけは貯金しておくなどして、金利支払いを少なくする工夫ができないか、検討しておきましょう。
不動産業者を仲介する場合、仲介手数料が発生する
中古住宅の売買では、通常不動産業者が仲介をします。
そのため、仲介手数料が発生するのが一般的です。
個人から買う場合、もしくは建築業者が手掛ける建売住宅では発生しない仲介手数料。
ですが、不動産業者を通すことで数十万円~数百万円かかるケースもあります。
さらに、仲介手数料は基本的に現金での支払いです。
仲介手数料分を現金で準備しなければならない分、頭金に使える額が減ってしまうことも考えられます。
中古住宅×リフォーム/リノベーションで気を付けなければならないこと
中古物件を買ってリフォームする場合、新築一戸建ての購入とはまた別の注意点があります。
以下の点をチェックし、具体的に検討しておきましょう。
リフォームはローンを利用できないことがある
中古物件を購入し、リフォームやリノベーションをする場合、リフォームローンを組めないことがあります。
というのも、工事の内容や家の丈夫さなどによっては、「家の価値を上げるため」のローンに該当しないと判断された場合、金融機関はリフォームローンの利用を渋るからです。
このようなことも想定して、自己資金を用意する、さほど傷みのない家を選ぶといった工夫をしましょう。
リフォーム/リノベーションを手掛ける会社選び
まず、リフォーム/リノベーションの実績が多く、必要に応じて事例を見せてくれる会社を選びましょう。
また、希望を伝えたときに、そのメリットとデメリットをきちんと説明してくれるところならばなお良いでしょう。
もちろん、複数の会社にあたって相談をし、見積書ももらってください。
「一式」でくくり、何をどうするのかわかりづらい見積書を作成する会社は回避してください。
はっきりと提示できないところは、何らかのごまかしを含んでいるかもしれないからです。
アフターフォローに関する質問をしてみてもいいでしょう。
リフォームする箇所とその費用をはっきりさせる
リフォームする箇所が明確である場合、見積書で費用をはっきりさせましょう。
そうすることで、実際の工事の際に起こるかもしれないトラブルを未然に防ぐことができます。
たとえば、工事を素早く終わらせたいがために、本来ならきちんと補修しなければならない部分が放っておかれてしまうこともあります。
または、希望していない箇所にまで手を入れられ、後で余計な費用を請求されることもないとはいえません。
これらの問題を回避するためにも、きちんと「箇所」「費用」を明確にしておきましょう。
リフォームできない家ではないかをきちんと確認
現在流通している中古物件の中には、大規模なリノベーション(再建築とみなされるもの)ができない家があります。
これを、「再建築不可物件」といいます。
細い道の突き当りにある家が、この再建築不可物件に該当するケースが多くあります。
というのも、道に広く接していない家の場合、周囲にも家が密集しているものです。
そうすると火事などの場合緊急車両が近づくことができず、対応が難しくなるため、どうしても行政としてはその建物を喜べないものなのです。
もしも周りに家が多い、広く道路に接していない、道そのものが細いといった点が気になる場合は、必ず「再建築不可物件ではないか」を確認しましょう。
中古物件購入から、リフォーム/リノベーション完了まで
好みの中古物件が見つかっても、リフォームやリノベーションが完了して「住める家」になるまで、時間や手間がかかります。
ここでは、中古物件が見つかったところから住めるようになるまでのステップをご紹介します。
資金についての検討
物件選びと同時進行して頂きたいのが、資金計画です。
物件はいくら位か、リフォームに充てたい金額はどのくらいか…。
もちろん、物件購入やリフォームに必要なお金を現金で用意できればいいのですが、ローンを利用する場合は、月々の支払い予想額を検討しましょう。
このとき考慮に入れたいのは、「未来の暮らし方」です。
家族は増えているだろうか、子どもさんにかかる教育費はどのくらいか、老後に向けての貯蓄は毎月どの程度か、といったことです。
不動産会社やリフォーム会社選び
さらに同時進行して頂きたいのが、不動産会社とリフォーム会社選びです。
不動産業者は仲介手数料を得る代わりに、様々な情報、手続きについてのアドバイスをくれるものです。
このようなシーンで、「この物件にすることで被るデメリット」に触れない会社は避けた方がよいでしょう。
というのも、新築の注文住宅でさえ「メリット/デメリット」はあるのですから、中古物件の購入に関してデメリットがない訳はありません。
リフォーム会社選びも同様です。
リフォームやリノベーションの事例を元に、「いくらかかったか」「どんなトラブルが起こったか」「どのように問題を収めたか」といった話を丁寧に聞かせてくれる会社を候補に入れてください。
また、リフォームやリノベーションの実績が多く、アフターフォローが充実している会社もいいでしょう。
さらに、こちらの伝えたいことを汲み取る力のある会社であればもっと良いでしょう。
中古物件の内見
「この家、いいな」と思う物件に出会えたら、内見を申し込みましょう。
そして、家だけでなく、近隣の環境もチェックしてください。
家はリフォームやリノベーションである程度好みに合わせることはできますが、環境はそういう訳にはいきません。
「ここは」という家なら特に、昼間だけでなく夜も訪れてみてください。
昼には見えなかったことがわかるかもしれません。
たとえば、昼間は静かなのに夜になると騒がしい、近くに何かの工場があり何かしら独特なにおいがする、学校などがそばにあって時々音が気になるといった具合です。
日当たりなどを確認するためにも、時間帯を変えて何度か訪れるとよいでしょう。
本命の家を内見する場合は、お願いしたいと思えるリフォーム会社に同行してもらうとよいでしょう。
どこにどのように手を入れたいのかを相談し、そのリフォームが可能か、可能であればどの位の費用がかかりそうかの概算見積書をもらってください。
【住宅ローン利用の場合】事前審査
もし、住宅ローンを利用したい場合はこのあたりで事前審査を受けます。
不動産会社から、物件購入費用と諸経費を合計した見積書を受け取り、それを金融機関に提出します。
購入申込と売買契約
無事に家が決まり、住宅ローンの事前審査をパスしたら、物件の購入申込と売買契約を結びます。
購入申込の用紙に記名や捺印をします。
仮契約のつもりで安易に記名捺印をして、「もっといい家があった」と申し込みを白紙にするのはおすすめできません。
信用を失ってしまうからです。
その後、改めて売買契約を結びます。
売買契約の前には、不動産会社から重要事項の説明があります。
このとき、どうしてもわからないことがあれば、わかるまで相談をしてください。
というのも、物件売買には法律用語や業界独特の用語が使われることが多くあります。
「わからなかった」が理由で、不利な契約とならないようきちんと説明を求めましょう。
リフォームやリノベーションの契約
次はリフォームやリノベーションの請負契約です。
金融機関によっては、住宅ローンの本審査にリフォームやリノベーションの請負契約書を求めるところがあります。
金融機関に確認しておくと安心です。
【住宅ローン利用の場合】本審査
不動産売買契約完了後、住宅ローンの本審査の申し込みに進みます。
事前審査とは違い、慎重に審査が進められます。
というのは、
・年収に見合った物件価格かどうか
・返済期間や返済金額に無理はないか
・返済ができなくなった場合、物件を売却することで穴埋めできるか
といった事柄を詳細に調べるからです。
求められた書類はすべて準備し、早めに金融機関に提出してください。
スムーズに審査を進めてもらうために、大事なことです。
【住宅ローン利用の場合】金銭消費貸借契約
住宅ローンの最後の手続きが、金銭消費貸借契約です。
保証料、手数料、印紙代金なども必要です。
ただし、現金をやり取りするのではなく、融資された金額から差し引かれます。
物件の引き渡し
不動産物件の引き渡しへと進みます。
ただし、この場合の引き渡しとは、金融機関に関係者が集まり、各種書類を確認したり、融資を実行したりすることで行います。
このときには、登記にかかる費用や固定資産税、不動産会社に支払う仲介手数料なども精算します。
工事着工
物件があなた名義に書き換わったら、いよいよリフォームやリノベーションの工事に取り掛かります。
場合によっては、さらに細かく打ち合わせをしなければならないケースもあります。
そして、一般的なケースでは着工代金(工事の一部の金額)を支払います。
中間支払い
リフォーム会社との契約内容次第ではありますが、作業の進捗状況に応じて中間支払いをします。
完成確認と最終支払い
工事が完了したら、リフォーム会社とともに契約内容通りに工事が完了しているかを確認します。
何かしらの間違いがあればやり直しを求めなければなりませんし、特に問題がないのであれば最後の支払いをして工事完了です。
まとめ
中古物件を購入し、リノベーションやリフォームをするときに気を付けること、そしてそのステップを解説しました。
中古住宅をリフォーム/リノベーションすることにはいくつものメリットがあります。
そのことについては、以下の記事も参考になさってください。
ただ、土地の持つ性格上、どうしてもリノベーションしづらい家がありました。
また、住宅ローンやリフォームローンが使いづらい家もあります。
これらのことに関しては、不動産会社にきちんと説明してもらい、「知らなかった」「気づかなかった」という失敗をしないように心がけてください。
築年数に応じたリフォーム費用の目安もピックアップしました。
これと見合わせながら、リフォームやリノベーションを検討してください。
無駄な出費をさせない、良心的な不動産業者やリフォーム業者に出会ってください。
専門知識を駆使して、あなたの「家づくり」をしっかりサポートしてくれる業者ならば、いい事だけでなくデメリットも教えてくれ、それに対応する方法を一緒に考えてくれるはずです。
千葉県で中古住宅のリフォームやリノベーションをご検討中の方は、ぜひ一度弊社「創健」にご相談ください。
千葉県内での対応エリアと、その場所の魅力については、以下の記事をご参考になさってください。
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